山での昼寝【山での昼寝】南木曽の田立の滝に行って来た。 随分昔から田立の滝の存在は知っていたが名前が有名過ぎて、 観光地っぽいものの大したことない滝だろうと思っていた。 華厳の滝のように駐車場から歩いて数分で行ける場所に、 落差があって細長い滝で手前に柵があると勝手にイメージしていた。 ところが実際に行ってみると田立の滝という名の滝は存在せず、 幾つかの滝をまとめて田立の滝群と呼ばれていると知った。 原生林に囲まれた荒れ気味の登山道を1時間ほど歩くと、 ほとんど一枚岩から流れ落ちる落差40mの天河滝に到着する。 そのスケールのデカさには圧倒された。 あんな水量の水が24時間、いや年間を通じて休みなくドドドと流れ続けるとは 一体どれだけの水が上流から流れて来るのだろう。 吊り橋を何ヶ所か渡って更に山奥に進むと見応え十分の滝が幾つもあり、 登山道に入ってから3時間ほどの場所に丸渕と呼ばれる場所があった。 滝壺は見事なエメラルドグリーンでまさに絶景である。 川の水でお湯を沸かしてカップヌードルを食べる。 持参した割り箸で食べるのは味気ないので程良い具合の木の枝を2本拾う。 先ほど水に浸かってしまった靴を脱いで裸足になる。 さて、滝の音を聞きながらリュックを枕にして昼寝をしよう。 俺は山で昼寝をするのが大好きだ。 白山の紅葉を見ながら昼寝したり、槍ヶ岳が映る鏡池のほとりで昼寝したり、 とにかく自然の中でまどろみながら夢を見るのが好きだ。 俗世間から引き離された空間にいる自由に至福の喜びを感じる。 しかし時間すら気にしない昼寝のオチはいつも同じだ。 「寒っ!」と目が覚めるといつの間にか雲に覆われている。 あれれ、さっきまでは晴れてたのになあ、と急いで下山を始める。 スマホや時計は持ってないのでデジカメで時間を確認する。 「ありゃ~、寝過ぎた。でも夜になってないからラッキーだな」 これからの時期は紅葉が見頃になるから山に入る時間も増えるだろう。 熊に襲われることにならないように昼寝を楽しむことにしよう。 |